犬の脱毛症、部分的な脱毛は要注意|病気の症状と原因

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部分的に脱毛するのが危険

部分的に脱毛するのが危険

犬の皮膚は密集した被毛で覆われています。
丈夫な上毛、秋から冬にかけては下毛が生え犬の体温調整を助けますが、小型犬にはシングルコートといって、下毛がない犬種もいます。

 

ここでは上毛、下毛がある犬で説明しますが、
気温が暖かくなると、下毛の役目が終わり、大量に脱毛します。
これは、身体の働きなので、特に心配はいりませんが、問題は部分的に脱毛したり、全身の被毛が極端に減る場合が病気と考えられます。

 

脱毛症の症状

犬の脱毛は、生理的なものと病的なものとがあります。

 

生理的な脱毛

生理的な脱毛とは、季節の変わり目などに被毛が抜けるもので、脱毛部目立つこともなく、また発疹や痒みなどの症状がみられることはありません。初夏などに柔らかな下毛が抜けて、毛皮の風通しがよくなります。

 

生理的な脱毛

この脱毛は犬が若いほど多く毛が抜けます。
脱毛が激しいので「病気なのではないか」と疑う飼い主もいるほどです。しかし、地肌が見えるほどは脱毛しないのが特徴です。

 

ブラッシングをしてあげないと、抜けた下毛が塊となって、身体に付いている状態になるので、とても見た目が悪くなります。

 

最近では、屋内で飼われる犬が多くなったため、冬に暖房を使いだすと、脱毛が始まる場合がありますので、生理的な脱毛は多くなりました。

 

病的な脱毛

病的な脱毛では、通常、部分的に脱毛して、地肌が見えるほどになります。
見えた地肌が赤くなったり、黒ずんだり、痒みや悪臭などの症状が伴うことがあります。

 

また、部分的な脱毛でなくても、身体全体から異常に毛が抜けるときは病気の可能性があります。

 

毛が抜けない犬種、プードル、ヨークシャテリア、ビジョン・フリーゼで、被毛が大量に抜けることがあれば、明らかに病気です。

 

生理的な脱毛か病的かを見分けるポイント

  • 脱毛する季節は春から初夏かどうか、秋ごろにも若干抜ける場合もあります。
  • 地肌が見えるほどは抜けません。
  • 毛が抜けた場所を痒がったり、悪臭が伴うことはありません。

 

病的な脱毛症の原因

病的な脱毛の主な原因は、アレルギー、内分泌障害、寄生虫や真菌、細菌による感染症です。

 

アレルギーや感染症

アレルギーや感染症では、毛の根元にある毛を作る毛包が侵されて毛が抜け、犬は痒みを感じ、その部分をひっかきます。

 

内分泌障害

内分泌障害では、ホルモンの分泌される量が変化した結果、毛包の活動が止まって脱毛しますが、異常をおこすホルモンの種類によって脱毛する場所が異なります。また、痒みを伴うことはありません。

 

脱毛症の診断と治療

脱毛症の診断

以下の状況で生理的な脱毛か病的な脱毛かを判断します。

  • 脱毛が周期的なものか、
  • 犬の環境はどうか、
  • どこが脱毛しているのか、
  • 脱毛の量はどのくらいか

 

病気が原因で起きている脱毛症の場合

脱毛が病気によって引き起こされている場合には以下のことを調べ原因を突き止めます。

  • 細菌などに感染していないか
  • 血液中のホルモン量の検査を行う
  • 皮膚や被毛の状態を調べる

また、皮膚の小さな組織をとって顕微鏡で検査することで診断に役立ちます。
これは、皮膚の病変や毛包の状態を観察できるからです。

 

脱毛症の治療

病的な脱毛では、その原因を突き止め治療をします。
感染症による脱毛では、細菌や寄生虫などの感染源が取り除かれると、その後、2〜3週間で毛が生えてきます。

 

ホルモン性の脱毛では、治療を開始してから、毛が再び生え始めるまで、早くても一か月位かかり、根気よく治療を続けることが必要です。

 

通常は被毛が完全に元の状態に戻っても、投薬を続ける必要があります。

 

日光性皮膚炎

寒い地方の原産の中には、遺伝的にメラニン色素が少ない犬がいます。
これらの犬は、夏の強い日光にさらされると、鼻やまぶたが赤くなり、ただれてくることがあります。
この紫外線による皮膚病は日光性皮膚炎と呼ばれます。

 

鼻に現れた場合は、鼻をしきりに舐めるようになり、ひどくなると鼻の頭に潰瘍ができ、鼻が崩れてしまう場合があるのです。病院で診察してもらいましょう。

近所にいる犬で、夏になると、まぶたがただれてしまいます。
そこの飼い主は、病院からの薬をつけていましたね。


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