皮膚がべとついたりかさつく犬の脂漏症|病気の症状と原因

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油性脂漏症と乾性脂漏症

油性脂漏症と乾性脂漏症

油性脂漏症

油性脂漏症は、体臭が強くなり、身体が脂っぽくなり、べとついてくる病気で、コッカー・スパニエルやシーズーによくみられます。
ホルモンの量や食べ物の中の脂肪分が多すぎたり少なすぎたりバランスが悪くなって、皮脂の量が異常に増えます。

 

乾性脂漏症

一方、乾性脂漏症は、皮膚がひどく乾燥して、皮膚からフケが増えることで発症します。
皮脂が過剰になったり、減少したりすると、皮膚の新陳代謝が早まって角質化が進んできます。

 

別の皮膚病から二次的に引き起こされる場合

脂漏症は、アレルギーやホルモンの分泌量の異常、寄生虫の感染など、他の病気が原因でなることも多いので、発疹や脱毛などの症状がみられることもあります。また、別の皮膚病から二次的に引き起こされることもあります。

 

脂漏症の原因

以下の原因があります。

ホルモンの異常(内分泌障害)

甲状腺ホルモンや性ホルモンの分泌量が変化すると、皮脂が異常に分泌されたり、角質化が進んで脂漏症になります。

 

脂肪分の不足

犬の食べ物の中の脂肪の質が悪かったり、脂肪の量が少ないときに起きます。
食べ物の脂肪分が減ると、初めのうちは皮脂の量は減りますが、その後、ホルモンの働きによって体内の脂肪分の量が増えます。食事の脂肪分は18パーセントが最適です。

 

また、すい臓や肝臓、腸などに異常があり、栄養を十分に吸収出来ないときにも脂漏症になります。

 

ミネラルやビタミンの不足

銅や亜鉛、ビタミンAなどが足りないときには、角質化が早まります。

 

アレルギー

アレルギーが慢性化すると、しばしば脂漏症になります。
アレルギー治療薬としてステロイド剤を与えると新陳代謝が早まり角質化が進みます。

 

このとき、皮膚に細菌が増殖すると、表皮の角質化がさらに進むため、脂漏症は治りづらいのです。
この場合は、皮膚表面は、脂漏症と膿皮症の症状がまじりあい、複雑な症状になります。

 

寄生虫・真菌感染

ヒゼンダニ(疥癬虫)や爪ダニ、ノミなどの寄生虫が寄生したり、カビの一種である糸状菌やマラセチアなどの真菌に感染すると、そこにしばしば部分的な脂漏症が見られます。

 

また、マラセチア症による脂漏症の外耳炎がよく見られるます。

 

脂漏症の治療

何らかの病気のため、脂漏症になることもあるので、その病気が何かを診断することも必要で、その病気の治療を先に行います。

油性脂漏症の治療

脂肪酸製剤や動物性脂肪、コーンオイルなどを与えます。
また、抗脂漏性シャンプーでの薬浴も効き目がありますが、このシャンプーは頻繁に頻繁に使用すると、角質層が溶けて、再形成が追い付かなくなり、皮膚がひどく乾燥することがあるので、週2回以上の薬浴は避けます。

 

乾性脂漏症の治療

フケが良く出る場合は、一般にビタミンA製剤や亜鉛製剤が投与されます。
ホルモンの分泌異常や、甲状腺ホルモンの分泌量が少ない場合にはホルモン剤を与えます。皮膚が乾燥してフケがひどい場合には、シャンプーの後、保湿のために皮膚軟化リンスを使うこともあります。

 

脂漏症の予防

犬のフードなどで、栄養バランスに注意することが必要です。


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