ダニが犬の皮脂腺に寄生する皮膚病アカルス

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幼犬はもとより老犬も感染する皮膚病

幼犬はもとより老犬も感染する皮膚病

 

犬に寄生するダニである毛包虫は顕微鏡で観察しないと見えない大きさで紡錘形をしています。
人間でもニキビの原因の一つとなるダニがありますが、犬のダニとは違います。

 

このダニによる犬の皮膚炎は一時下火になっていましたが、最近は再び増えています。

 

ダニによる皮膚炎の症状

犬の生後4〜5か月から8〜9か月の幼犬時に発症します。
初めは口や下あご、眼の周囲、前足の前面などの皮脂腺が多く分布している皮膚の毛が抜けはじめ、その部分が広がっていきます。この頃は、まだ痒みはありません。

 

次第にニキビのような膿疱がたくさんできて、それらが集まって、ただれを起こすようになります。病巣は頭や肩、背中、腰、肛門の周囲、下腹部やひざの内側、さらには包皮の先端や足先にまで見られ、ときには全身に広がります。

 

毛包虫に寄生される原因

毛包虫に寄生されている犬に接触して感染するわけではありません。

 

多くは母犬から授乳中に感染して、発育期に皮膚病として発症します。
半数以上の犬が、この毛包虫のダニを持っていると言われているのです。

 

しかし、毛包虫症の発病や進行には、年齢の問題だけではなく、この皮膚病にになりやすい犬種や免疫力などの抵抗性の低下、食事の傾向なども関係しています。

 

最近では育ちざかりの犬だけでなく、10歳以上の老犬でも、この皮膚病が増えてきています。老犬になってからの毛包虫症は治りにくいのですが、これはホルモンバランスの崩れ、皮膚の抵抗力の低下なども病気を悪化させる原因があると言われています。

 

ダニによる皮膚炎の治療

毛包虫症は犬にとっては致命的な皮膚病と言われてきました。
最近では寄生しているダニを殺す内服する抗生物質の開発や、その他の治療法の進歩によって治る皮膚病になりました。

 

発見したら早く治療することが必要です。
毛包虫症の前歴がある犬や、そのような環境にいた犬を手に入れた場合は、すぐに検査と処置する必要があります。

 

ダニを殺す抗生物質の服用と殺ダニ剤を含む薬の薬浴を並行して行います。
治療には長期間を要するので、獣医師の治療計画を守って処置を続けることで治すことができます。

 

寄生虫やダニに効果がある抗生物質のイベルメクチン

犬や猫の治療だけでなく、動物全般に寄生するダニ類や、線虫類の駆除と予防のための抗生物質が開発されています。

 

この抗生物質は放線菌から出来るもので、イベルメクチンと呼ばれ、犬や猫のようなペットだけでなく、多くの種類の家畜や植物に寄生する虫の駆除に用いられています。

 

犬の心臓に寄生して心臓病の大きな原因となるフィラリアや、毛包虫や疥癬などのダニ類、また、腸管内に寄生する線虫類などの寄生虫に有効で予防効果もあります。


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