人間にも感染して皮膚炎を起こす白癬
白癬に感染する、犬の顔や眼の周囲、耳や身体の皮膚の柔らかい部分に円形の脱毛ができます。
円形に脱毛した部分には、フケのようなカサブタが付着し、その周りはかすかに赤く腫れて見え、この部分の毛は抜けやすくなります。
犬や猫が集まるペットホテルに犬を預けたり、毛を刈ってもらうトリミング店に行ったら、毛が抜けた場合や、新たに仔犬を連れてきたときに、先住犬が同じように毛が抜け始めた場合などは、この白癬の感染を疑います。
人間にも感染して皮膚炎を起こす
白癬に感染した犬から、人間にも感染してタムシ状の皮膚炎がおきたり、子供の頭部に激しい症状が出たりすることがあります。白癬は人や動物共通感染症の一つなので注意する必要があります。
白癬の原因
犬の皮膚には、毛にカビの一種である犬小胞子菌(ミクロスポラムカニス)が感染して起きる白癬という皮膚炎です。通常、猫に感染することが多いのですが、犬や人間にも感染します。
また、土を掘ったり、土の上で生活する犬(外犬)には石膏状小胞子菌が感染しています。
白癬に感染した場合の治療
診断
白癬に感染している犬の皮膚や毛は、紫外線に反応することから、紫外線ランプの光線を患部に当てて、皮膚の周囲の蛍光反応を観察します。
さらに、患部の周囲の毛を抜いて、顕微鏡による検査や、毛を培養して確実な判定を行います。
白癬の症状が出た患部以外にも白癬菌が寄生している可能性があります。
その胞子を長い間まき散らすので、全身の毛を何回か刈ってしまうのが治療の早道です。
その方が人間への感染も防げます。
次に1週間に1〜2回、カビを殺す薬による薬浴を行い、抗白癬用の薬を塗り、抗白癬剤の抗生物質を内服します。
この処置は皮膚の症状が治まっても菌が完全に消滅する45日間続ける必要があります。
治療の最中で処置を中断せず、根治するまで続ける必要があります。
他にも犬や猫を飼育している場合は、それらの動物も検査します。
最近は、外にいる野良猫にも、白癬の病気が広がっているので、ペットと接触させないようにしなければいけません。
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