発症したら致命的な伝染病である狂犬病

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治療法はない狂犬病

治療法はない狂犬病

日本では、犬の登録や予防接種が徹底され、海外からの輸入動物に関して厳重な検疫が行われているため、犬に狂犬病が発病したのは60年以上前からありません。

 

しかし、2006年にはフィルピンで日本人が犬に咬まれ、帰国後、狂犬病を発病したことがありますから、油断は禁物です。

 

狂犬病の症状

狂犬病を発症している犬もしくは動物に咬まれてから2〜6週間の潜伏期間をへて発症します。
咬まれた部位や、咬んだ動物の唾液にあるウィルスの量や、病原性などの違いにより、狂躁型(きょうそうがた)と沈鬱型(ちんうつがた)の2つに分かれます。

 

狂躁型(きょうそうがた)

狂躁型は、凶暴性が出て、動くものには何でも咬みつきます。
狂犬病の80%はこの型で、狂犬病の典型的な症状です。

 

発症後、数日は不安や挙動の異常、食欲不振などが見られ、
狂乱状態になり、異常に吠える、明らかに凶暴となって人でも物でも見境なく攻撃して咬みつくようになります。口が半開きになりよだれを垂らし、顔つきは狐のように鋭くなり、この状態が3〜4日続きます。

 

その後、麻痺が始まり、口を大きく開け、大量のよだれを流すようになります。
この頃になると、犬は咬むこともなく、立っていてもよろめき、全身に麻痺が現れてきます。
麻痺は次第に進行して起き上がれなくなり、衰弱して死亡します。

 

狂躁型では前段階から麻痺期へと進行し、死亡するまでは期間は通常5〜7日間です。

 

沈鬱型(ちんうつがた)

沈鬱型は、狂犬病でもまれで、短い間に麻痺期に移行します。
早い場合は1日で、一般には2〜4日で死亡します。

 

哺乳類が感染する

狂犬病ウィルスの感染で発症し、ウィルスは発病している犬(動物)の唾液に含まれています。咬まれた傷からウィルスが入り込み感染します。

 

狂犬病ウィルスは、人間や犬をはじめ、全ほ乳類に感染する可能性があります。
特に食肉性の動物は、このウィルスを広げる伝播動物です。

 

狂犬病は予防しかない

狂犬病の犬は、凶暴で咬まれる可能性が高いため、生きている間に診断するのは難しく、狂犬病と疑われる場合は、犬を隔離し、3週間以上観察し、犬が死亡した場合は脳と唾液腺で検査を行います。

 

予防方法

日本では狂犬病予防法により、生後3か月以上の犬は必ず行政機関に登録し、
毎年1回、狂犬病ワクチンの予防接種を受けることが義務つけられています。

 

狂犬病予防のために、ワクチンは毎年必ず受けるようにしてください。
もしワクチンをしていない状態で、愛犬が他人や他の犬咬みついて傷を与えるとトラブルになります。


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