接触によるアレルギーと自己免疫による犬の皮膚病

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よく触るものによって起こる犬のアレルギー

よく触るものによって起こる犬のアレルギー

犬がよく使うものの中に、アレルギーを引き起こすものであるアレルゲンが含まれていると、アレルギーとなって皮膚が赤くなったり痒くなったりします。

 

一部の犬の中には、首輪やプラスチック製の食器、絨毯などに反応して、アレルギー反応を引き起こし、首の周りや口の周りが赤くなったり、脱毛したり、痒くなったりします。

 

また、シャンプーや石鹸、薬剤、湿布薬など使った場合に、アレルギー反応が出る場合もあります。

 

接触アレルギーの治療は使わないようにするしかない

原因と思われる器具や用具、薬品などを数週間使わないようにし、犬の皮膚などのアレルギー反応を観察し、症状が改善すれば、それがアレルゲンと判断します。

 

治療としては、アレルゲンとなる器具や用具、薬品を使わないようにするしかありません

 

予防するには、シャンプーなどが原因だと判断すれば、よく洗い落とすようにするしかありません。

 

自己免疫による皮膚病

自己免疫による皮膚病

人間もそうですが、動物には体を守るために免疫と呼ばれる機能があり、免疫は体内に有害物が入ったとき、それを攻撃し、身体から有害物を排除しようとします。

 

しかし、免疫が何等かの異常を起こし、自分の身体を攻撃することがあります。
これは、自己免疫疾患と呼ばれ、これは犬ではよく見られる病気で、皮膚に異常が現れます

 

自己免疫疾患の症状

自己免疫疾患の症状としては、多くの場合、天疱瘡(てんほうそう)の皮膚病の症状です。
これは脱毛やカサブタ、口の粘膜の異常などを特徴としています。

 

天疱瘡

天疱瘡では、はじめ鼻筋の毛が抜けて皮膚がジクジクしてきて、そのうちカサブタがつくられます。
症状が現れる範囲は目や口の周り、耳、四肢、肛門、陰部、陰嚢などに徐々に広がり、
最初に症状がでるのが、鼻ではなく耳や四肢などから脱毛がはじまることもあります。

 

脱毛したところは別に痒みはありませんが、皮膚やカサブタが剥がれた場所は化膿して痛みを伴う場合もあります。

 

原因

免疫の働きが、自分の身体の成分と反応する物質(抗体)を皮膚の表面に作り皮膚を攻撃します。そのため、細胞同志を繋ぐ物質が壊れ、細胞がバラバラになり、皮膚に異常が起こるのです。これもアレルギーの一種です。

 

自己免疫疾患は、春や夏の日差しの強い時期に現れることが多く、紫外線に弱い白い毛の犬によく見られるので、紫外線が発症に何らかの影響を及ぼしていると考えられていますが、それだけではなく、発病のきっかけは他にもあります。

 

自己免疫疾患の治療

自己免疫疾患は診断も治療もたいがいは困難です。
診断は症状と経過をよく観察して、皮膚の組織検査などを行いますが、
この検査は検査条件によって結果がかなり違い、この検査に熟練した獣医師でないと、判断を誤ることが多いのです。

 

治療方法

薬物療法を行い、通常は1種類の薬ではなく、副腎皮質ホルモン薬、漢方薬、ビタミンE、免疫抑制剤のうちから、数種類を選んで与えますが、どのような治療薬を組み合わせるかは注意が必要で獣医師の判断になります。

 

犬の皮膚病の治療には根気がいることが多いのですが、とくに自己免疫疾患では根気が必要で、獣医師に治療法や病状の経過についてよく確認しましょう。


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